伝統を踏まえ新しい発想を
2017.09.09
デザインへの考え方
前回 母体である竹本造園で造園の技術や流儀を自然に学んできた過程をお話しました。伝統的な造園の作法や哲学を学んだことは 時代や社会の変化を積極的に解釈し新しいスタイルの提案を試みるために必要なまなびでした。新しいスタイルを求める中で気づくのは 造園の世界が時間をかけ様々な試みを通じて具体的な形状へ落とし込んだだけあって各々の作法がすばらしく 学ぶべき点が多いことです。例えば 石を配置する時 握りこぶし一つの間隔を単位とすること他にも 植栽する時に奥行きを出すために不等辺三角形の法則を守ることなどは エクステリアにも他のデザインにも使える理にかなった作法です。自分にとってそれらは すでに体にしみついた造園の作法・流儀でありsotoDesignでは それらを継承すべき哲学として守りながら 新しいスタイルを提案していきたいと思います。ところで伝統家屋における造園には設計図がほとんど存在しないのをご存知でしょうか?まず植物のあり方を決定し 他のものの配置や道筋を考えていきます。何度も言うように 造園の歴史は長いので その文化的蓄積は素晴らしくて美しく見せるための幾つかの完成された形式を継承してきています。かつては そのような形式が紹介された書籍などもたくさん読んだものです。それは 造園の作法や礼儀を知る素晴らしい機会でありまた自分の目指すべき方向や自分がいるべき位置を知るための良い情報となりました。先日の北欧研修でも感じたのですが 北欧デザインの自然を尊びシンプルなスタイルは日本の和風にもどこか通じた美的センスでもあります。sotoDesignでは 学んだ造園の源流を自分流に解釈して 新しいスタイルに昇華し外構とエクステリアのご提案に活かしていければと思っています。
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